「よろしくお願いします」 |
「よろしくお願いします」
手術は始まった。
この人数なら私も手術をするのかな?と思ったが、やっぱり助手だけだった。
でもそれでよかった。資格もないのに手術をして患者が死んだとなれば大騒ぎだっただろう。
今回の患者は美海が今までに見たことがないくらい酷かった。
思わず吐き気を催す。
臓器が大きく損傷しているらしい。
来たときから既にもう虫の息だった。
それでも1%でも治る見込みがあるのなら手術を行う。
1人しかいない執刀医はかなり汗をかいていた。それを美海が拭う。EGT 功效
普段の何倍も何倍も頑張らなければならないため、皆疲れきっていた。特に執刀医だろう。
私の考えが浅はかだった。
大変すぎる。まだ私には出来ない。
私は役にたっているのか?
ピ─────────────────
「0時27分…御臨終です…」
カタン…
執刀医はメスを置いた。
額には尋常じゃない程の汗。息は上がっている。
最後の最後まで諦めなかった。
それでも駄目だった。
きっと最初から助かる確率も低かった。
きっと誰も彼らを責めない。
だが、やはり凄まじい喪失感が彼らを襲う。
思い知らされた。
医療界の凄まじさを。
思い知らされた。
人の命を救う困難さを。
思い知らされた。
皆の命に対する思いを。
手術を終えたため、執刀医を始め、続々と出ていった。
次の患者が待っている。休む暇などない。
あぁ…。助けられなかった…。私は医者なのに…。
私がいた、意味はあった?
私は何かできた?
私は…。
白くなった患者を見る。
あぁ…。
なんかくらくらしてきた…。やば…。
…ガシャ―ン!
「立花さん!?立花さん!」
誰か呼んでる…。
「ちょっと他の人呼んでくるから!」
バタバタ…
近くにいた看護婦は走って手術室を出た。
目を覚ますと何故か私は江戸時代にいた。
「おい。なにしてる」
土方さんに声を掛けられ新撰組に行った。
そこから私は新撰組で過ごすことになったんだっけ?
もう4年かぁ。
人間の生身にメスを入れたことがなかったため、こっちの時代でも未だ大がかりな手術はしていない。
大切な人を沢山失った。
1人で泣くことはなくなった。
かわりにもっと大切な人ができた。
一番一番大切な人。
今思えば神様が私に沖田さんを治すという試練を与えるためにこの時代に来させたのかもしれない。
まさかこんな動乱の時代に来るとは思ってもいなかったけどね。
クスッ
美海は笑った。
「先輩!何1人で笑ってるんですかぁ?」
市村が怪しそうに見る。
「別にぃ」
皆どうしてるかな?
佳菜はこれを聞いたらびっくりするかな?
私はこの時代に来てしまったことを悔やんでなんかいない。
大切な人達に出会って、大切な事に気付かされたから。
だから私は限られた毎日に全力を尽くそうと思う。
後から、もっと努力すればよかったと後悔しないように。
何があるかわからないんだから。
そうでしょ?
つい最近のことだった。
新撰組の幕臣取り立てが決定したのは。
6月。梅雨でジメジメしている。嫌な季節だ。
「なんだか壬生が懐かしいです」
「そうですねぇ」
新撰組の屯所はまたもや移転して今は不動堂村にいる。
「先輩!自分は壬生の屯所には行ったことがないのですがどんな感じでした!?」
新しい美海と沖田の部屋に市村もいる。
「どんなって…。良いとこかな。壬生菜はおいしかった」
「子供達がいっぱいいましたねぇ」
前から幕臣取り立ての話はあったようなのだが、近藤が悩んでいた。
幕臣に取り立てて貰いたい気持ちは山々だったのだが新撰組は決して主従関係にあるのではなく、あくまで同志だ。
そこを悩んでいたのだが、局長から平隊士まで全て幕臣に取り立てて貰えることになった。
| Комментировать | « Пред. запись — К дневнику — След. запись » | Страницы: [1] [Новые] |