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「別に愚兄に謝る必要はないっちゃ

Суббота, 27 Апреля 2024 г. 11:04 + в цитатник

「別に愚兄に謝る必要はないっちゃ。グズグズしてた愚兄も悪い。それに元凶は。」

「木戸様。」

「桂様。」

 

 

三津は何一つ悪くないからとみんなが口を揃えた。Botox瘦面

でも三津はみんなに元凶と言わせてしまうほど,桂の心象を悪くしてしまったのは自分だと思い申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

 

「ホンマに全然実感ないし,私はどうすればいいんか最善策も浮かばへんけど……でもみんなとここに居れた事は私にとって有意義やったから,楽しい気持ちをいっぱいにして明日ここを発ちたいです。」

 

 

今は難しいことは忘れて,ただこの時間を楽しみたい。

 

 

「そうやね,三津さんは笑っとるのが一番やもんね。一之助さん,三津さんが面白い話してって言っとる。何かない?」

 

 

「文ちゃん無茶言うにも程がある。三津さんがいつ俺に笑わせて欲しいって言うたんよ。面白い話なら塾生時代の高杉さんが一番逸話あるやろが。」

 

 

「えっ何それ聞きたい。向こう帰って高杉さんに有効な弱み欲しいです。」

 

 

三津も聞きたい聞きたいと目を輝かせたので,要望に応えて文は塾生時代の話を披露する事にした。塾生時代の奴らの話は大体ろくでもない物ばかりだ。

極端で過激だと言われた兄,松陰の教え子とあってそれに追随する彼らは個性豊かな変わり者ばかりだ。

そんな奴らの話なら尽きないが,文はふとした疑問を三津に投げた。

 

 

「そう言えば三津さんは高杉さんに奥さんおるの知っとる?萩一の美人なんやけど。」

 

 

文の何気ない質問に三津はあんぐりと口を開けた。

 

 

「は!?知らない!!聞いてない!!だってあの人京に来た時に嫁に来いって追っかけ回して来たんですけど!?

え!?奥さん居るのに私に子供産めって言ってたんですか!?クズにも程がある!!」

 

 

三津はこれは帰ったらただじゃおかんと怒りに震えた。

 

 

「馬鹿やけぇ自分が結婚しとる事忘れとった可能性あるけどね。大体投獄されとるかどっかで何かやらかしとる奴やけぇ。」

 

 

それにはすみも有り得る!とけたけた笑った。

一之助が流石にそれはないやろと言うも,高杉は常識を逸脱してるから一般人の普通は当てはまらんと言われて妙に納得した。

 

 

「この話聞くと一之助さんが如何に普通かが分かりますね。」

 

 

三津はしみじみと言うが,普通と言われるのも何の取り柄もない印象にも残り難い影の薄い奴と言われてる気がする。

 

 

「ええんか悪いんか分からんな……普通って。」

 

 

一之助は肩を落とすが三津は良い意味です!と力強く言った。

 

 

「だって私は平穏を求めてたんですよ。毎日仕事してご飯食べて寝て起きて。それを繰り返すだけでも幸せなんです。好きな人と一緒なら。」

 

 

何の変哲もない毎日が送れるならそれでいい。貧しかろうがそんな事はかまわない。

 

 

「やったらやっぱ一之助さんと逃げたら?」

 

 

平穏を求めるなら普通な人と一緒の方がいいとすみは言うが,

 

 

「すみちゃん逃げる時点で平穏やない。多分桂様は地獄の果てまで追いかけて来るで。」

 

 

そんな恐ろしい生活嫌だと真顔で答えた。

 

 

「地獄の果て……確かに。」

 

 

三津は想像出来ると笑った。そんな恐怖に怯える生活を一之助に強いるなんて出来ない。

 

 

「しつこい男は嫌われるって誰か教えてあげんかったんかねぇ?」

 

 

「木戸様は追っかけんでも女が勝手に寄ってくるから追っかけた事ないそっちゃ。やけん自分が追いかけとる今,距離感分かっとらんそ。

干渉して束縛しとるとも思っとらんかもな。自分だけを見て欲しくて必死な感じしたわ。」

 

 

文は三津と過ごす時の桂を知らないすみに必死な姿を見せてやりたいと喉を鳴らして笑った。

 

 

「そしたら次は私が阿弥陀寺行くわ。一之助さん一緒に行こ。」

 

 

「やけん俺を巻き込むな。」「別に愚兄に謝る必要はないっちゃ。グズグズしてた愚兄も悪い。それに元凶は。」

「木戸様。」

「桂様。」

 

 

三津は何一つ悪くないからとみんなが口を揃えた。

でも三津はみんなに元凶と言わせてしまうほど,桂の心象を悪くしてしまったのは自分だと思い申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

 

「ホンマに全然実感ないし,私はどうすればいいんか最善策も浮かばへんけど……でもみんなとここに居れた事は私にとって有意義やったから,楽しい気持ちをいっぱいにして明日ここを発ちたいです。」

 

 

今は難しいことは忘れて,ただこの時間を楽しみたい。

 

 

「そうやね,三津さんは笑っとるのが一番やもんね。一之助さん,三津さんが面白い話してって言っとる。何かない?」

 

 

「文ちゃん無茶言うにも程がある。三津さんがいつ俺に笑わせて欲しいって言うたんよ。面白い話なら塾生時代の高杉さんが一番逸話あるやろが。」

 

 

「えっ何それ聞きたい。向こう帰って高杉さんに有効な弱み欲しいです。」

 

 

三津も聞きたい聞きたいと目を輝かせたので,要望に応えて文は塾生時代の話を披露する事にした。塾生時代の奴らの話は大体ろくでもない物ばかりだ。

極端で過激だと言われた兄,松陰の教え子とあってそれに追随する彼らは個性豊かな変わり者ばかりだ。

そんな奴らの話なら尽きないが,文はふとした疑問を三津に投げた。

 

 

「そう言えば三津さんは高杉さんに奥さんおるの知っとる?萩一の美人なんやけど。」

 

 

文の何気ない質問に三津はあんぐりと口を開けた。

 

 

「は!?知らない!!聞いてない!!だってあの人京に来た時に嫁に来いって追っかけ回して来たんですけど!?

え!?奥さん居るのに私に子供産めって言ってたんですか!?クズにも程がある!!」

 

 

三津はこれは帰ったらただじゃおかんと怒りに震えた。

 

 

「馬鹿やけぇ自分が結婚しとる事忘れとった可能性あるけどね。大体投獄されとるかどっかで何かやらかしとる奴やけぇ。」

 

 

それにはすみも有り得る!とけたけた笑った。

一之助が流石にそれはないやろと言うも,高杉は常識を逸脱してるから一般人の普通は当てはまらんと言われて妙に納得した。

 

 

「この話聞くと一之助さんが如何に普通かが分かりますね。」

 

 

三津はしみじみと言うが,普通と言われるのも何の取り柄もない印象にも残り難い影の薄い奴と言われてる気がする。

 

 

「ええんか悪いんか分からんな……普通って。」

 

 

一之助は肩を落とすが三津は良い意味です!と力強く言った。

 

 

「だって私は平穏を求めてたんですよ。毎日仕事してご飯食べて寝て起きて。それを繰り返すだけでも幸せなんです。好きな人と一緒なら。」

 

 

何の変哲もない毎日が送れるならそれでいい。貧しかろうがそんな事はかまわない。

 

 

「やったらやっぱ一之助さんと逃げたら?」

 

 

平穏を求めるなら普通な人と一緒の方がいいとすみは言うが,

 

 

「すみちゃん逃げる時点で平穏やない。多分桂様は地獄の果てまで追いかけて来るで。」

 

 

そんな恐ろしい生活嫌だと真顔で答えた。

 

 

「地獄の果て……確かに。」

 

 

三津は想像出来ると笑った。そんな恐怖に怯える生活を一之助に強いるなんて出来ない。

 

 

「しつこい男は嫌われるって誰か教えてあげんかったんかねぇ?」

 

 

「木戸様は追っかけんでも女が勝手に寄ってくるから追っかけた事ないそっちゃ。やけん自分が追いかけとる今,距離感分かっとらんそ。

干渉して束縛しとるとも思っとらんかもな。自分だけを見て欲しくて必死な感じしたわ。」

 

 

文は三津と過ごす時の桂を知らないすみに必死な姿を見せてやりたいと喉を鳴らして笑った。

 

 

「そしたら次は私が阿弥陀寺行くわ。一之助さん一緒に行こ。」

 

 

「やけん俺を巻き込むな。」


「滅相もない!てっきり高杉さんが総督かと。」

Суббота, 30 Марта 2024 г. 12:45 + в цитатник

「滅相もない!てっきり高杉さんが総督かと。」 そんな失礼な事考えてませんと必死に首を横に振った。すると滝は口を尖らせた。 「高杉は罷免されたほっちゃ。俺らだって任されると思わんかったし。」 滝の言葉に赤禰が少し眉を釣り上げたのを三津は見逃さなかった。 滝の不満げな言い方に罷免と言う言葉。それに少し不快感を表したような赤禰の表情に三津は不穏な空気を感じた。 「すみません,こちらの話を詳しく聞かないまま来てしまったので奇兵隊や皆さんの事は追々勉強します。今はひとまずセツさんのお手伝いをしっかり出来るように頑張ります。これ,片付けてきますね!」 Botox瘦面 三津は笑顔で失礼しますと頭を下げてセツと共に食べ終わった隊士達の膳を順番に片付け始めた。 「……思ったより察しのいい子だね。」 その輪に白石もぬるっと現れて混じった。 「三津さんは普段危なっかしくて放っておけない感じですけど物分りがいい頭の良い方ですよ。それに度胸もあります。」 「ただの嫁じゃないんやな。」 「有朋,それ絶対桂さんの前で言っちゃいけん。」 「ほぉ,そりゃどんな顔するか楽しみやな。」 伊藤の忠告に山縣はにぃっと悪い顔で笑った。 一方高杉と湯浴みに行った入江は湯船に身を沈めてぼーっと浴場の天井を見上げた。 「何か懐かしー……。」 「そうか?まぁ……色々あったけぇ……。それにしてもその傷凄えな。」 高杉は縫合の痕が残る脇腹を凝視した。 「これのせいでひと月も寝たきりだ。だから三津さんの元に帰るのが遅れた。ろくに飯も食えなくなったし体力も筋力も落ちた。」 「それであんま食っちょらんかったんか。」 「胃はここにおったらそのうちでかくなる。体力も筋力も戻る。」 「なぁ明日はお前と三津さんの歓迎の宴開いていいか?」 「本当にお前突拍子もねぇな。どうせ白石さんの金で酒買うんやろ?白石さんに聞け。」 お前と居ると気が抜けるわと入江は鼻て笑った。入江は湯浴みを終えて広間を覗くも三津の姿は無かった。 「白石さんまだ居るの?三津さんは?」 「おじさんもう帰るのしんどいから今日はここに泊まるよ。三津さんは片付けして部屋に戻ってるんじゃないかな?ここにいると山縣君がしつこいから。」 「早速面倒臭い奴に目をつけられましたねぇ。あと晋作が明日私と三津さんの為の宴会開きたいって言ってましたよ。」 「うわっ財布として働けと言われてるようなもんだね!?でも三津さんが喜んでくれるならおじさん張り切るよ?」 「……白石さんも桂さんに斬られたらいい。」 三津の名を出すとにやけるその顔が腹立たしくて入江は物騒な一言を残して今日から寝泊まりする三津との愛……相部屋に向かった。 「三津さん入りますよー。」 声をかけると三津は荷物を整理し布団を敷いていた。 「三津さん湯浴みどうします?汚い男共のあとの湯なんでお勧めは出来ませんが。」 自分はちゃっかり一番風呂をいただいちゃって申し訳ないと謝った。 「私はさっき体だけ拭きました。セツさんが銭湯に誘ってくれはったけど事情説明したら台所でお湯沸かしてくれて。」 「そうでしたか。今日はお疲れ様でした。明日からもまた騒々しい日々が始まるのでゆっくり休んでください。」 布団の上で正座して労いの言葉と共に頭を下げた。三津も同じように布団に正座をしていえいえ入江さんこそと頭を下げた。 「……初夜みたいですね。」 「阿呆なこと言わんと寝ましょう。」 三津は吉田を枕元に置いた。 「えっ何で今日はそこに置くの?いつもそんなとこに置かないのに。えっ私死ぬの?」 「場合によっては。おやすみなさい。」 三津は今日一番の笑顔で就寝の挨拶をした。これが入江さんの永眠になりませんようにと一言添えて。 それから三津が眠りに落ちるまでそう時間はかからなかった。入江もすぐに寝付けたのだがうとうとしては目が覚めた。


稔麿の作戦か何か分からんがこれで嫉妬

Пятница, 01 Марта 2024 г. 12:10 + в цитатник

稔麿の作戦か何か分からんがこれで嫉妬心を持てば私の負けなのだろう。ならばそんな物が芽生える前に耳を塞ぐまでだ。』

 

 

「三津,お茶を飲んで落ち着いたら九一に送ってもらいなさい。」

 

 

そう言って背を向けた。Botox瘦面

 

 

「はい……分かりました。」

 

 

『あの声色……きっと私が怒ってると感じたんだな。』

 

 

だけどもう踵は返せない。帰ってからちゃんと話せばいい。そう思って自室に戻った。

 

 

「……今の怒ってました?」

 

 

三津は恐る恐る入江に聞いた。

 

 

「いや妬いてただけでしょう。大丈夫ですよ。」

 

 

「あれで三津に当たるようなら駄目だね。もし当たられたら俺の所に泣きつきにおいで。慰めてあげる。」

 

 

「出来たら平和に過ごしたいです……。」あの時の桂は怒っていた。何をどう謝ればいいのか考える三津は家までの道中眉間に皺を寄せていた。

 

 

「そんな難しい顔しなさんな。大丈夫です。」

 

 

そう言って入江は三津の頭の上でぽんぽんと手を弾ませた。

三津は不安気に入江の顔を見上げた。

 

 

「帰って来た桂さんに猫なで声で甘えてみたらいいですよ。そしたら嫌って程抱いてくれると思いますよ。」

 

 

「なっ!いいです!いいです!いいです!」

 

 

三津は顔を真っ赤にして口を横一文字に結んだ。そしてこれでもかと言うくらい首を横にぶんぶん振った。

 

 

「あぁ三津さんは恥ずかしがり屋なんですね。そんなに振ると首取れますよ?」

 

 

落ち着きなさいと頭を押さえた。

 

 

「もしかして亡くなられた恋仲の方が初めての?」

 

 

三津は両手で顔を覆って今度は縦に何度も振った。

 

 

「その後が桂さんならちょっと三津さんには刺激が強すぎますねぇ。

でも稔麿も激しい方だと思いますよ?見た事ないですけど。」

 

 

「そんな情報いらないです!ここ道端です!」

 

 

左隣を歩く入江の背中を左手でバシバシ叩いた。

 

 

「おっ,左手だいぶ力が戻ったのでは?全然痛くないですがね。」

 

 

「お陰様で……。」

 

 

耳まで真っ赤にして俯いた。

 

 

「いや初な女子を久々に見たのでつい。最近は芸妓や遊女といった自分の武器を分かりきって使ってくる女しか見てなかったので。

桂さんは三津さんのそう言う所も好きなんだと思いますよ?」

 

 

「女の武器ないのに?」

 

 

「三津さん自身が武器ですもん。全身凶器。」

 

 

「それ意味違ってきません?

でも……今のまんまでいいって言ってもらえるなら嬉しいですけどね。」

 

 

そう言葉をかけてくれる桂を思い浮かべて照れ臭そうに笑った。

 

 

「……三津さん左手の握力を鍛える練習しながら帰りましょうか。こう…ぎゅっぎゅってしながら。」

 

 

入江に差し出された右手を取って,こう?とぎゅっと力を込めた。

 

 

「そうですそうです。良くなってますねその調子です。」

 

 

「頑張ります先生!」

 

 

『……何だよ人の事女好きとか言っといて入江さんだってちゃっかり三津さんモノにしようとしてるじゃんか。』

 

 

手を繋いで歩く二人の背後に桂の密偵伊藤俊輔。

その現場しかとこの目に焼き付けたり。三津を送り届けて藩邸に引き返す入江の横に伊藤がぴったり引っ付いた。

 

 

「困りますよ入江さんまで三津さんに手ぇ出しちゃ。」

 

 

「手を差し出しただけだが?」

 

 

しれっと澄ました顔で歩く速度を上げた。

 

 

「屁理屈言わないで下さい。桂さんに報告しなきゃいけないんですから。」

 

 

「報告するのか?この件で酷く責められるのは三津さんなんだろうなぁ。左手を使う練習をしていただけなのに。」

 

 

「左手を使う練習?何の話です?」

 

 

目をぱちくりさせる伊藤に入江も目を見開いた。

 

 

「お前知らなかったのか。三津さんは土方から受けた拷問で左手がちゃんと使えない。あの朝気付かなかったか?」

 

 

「あの朝……。あっ三津さんが掃除してた時?えっ入江さんそれに気付いて三津さんに話しかけに行ったんですか?」

 

 

「そうだ。目視だけでも分かったが念の為世間話をするフリをして確認していた。」

 

 

お前は本当に何しに行っていたんだと呆れ返って伊藤を見た。


放心状態になった三津は子供た

Четверг, 18 Января 2024 г. 15:08 + в цитатник

放心状態になった三津は子供たちのはしゃぐ声を遠くに聞きながら,焦点の合わない目を泳がせる。 「それでね,私はある人に頼まれてお三津ちゃんが副長さんの事をどう思ってるか確かめに来てん。」 この短時間でげっそりとした三津をくすくす笑って,今度は頬をつついて遊び始めた。 「ある人?」 もう何を聞いても驚かない。 呼吸を整えて,上目で彼女を見れば,妖しげに口角を上げて二回頷いた。 「そう,お三津ちゃんもよく知ってる人。分かる?」 当ててみてと言われるが,三津の思考は完全に停止する一歩手前。 そもそも彼女と自分の間に共通の知人なんている訳がない。 一応答えを考えてみるけど見当もつかない。 彼女は彼女で答えを言いたくてうずうずしてる様にも見える。 「降参です…。」 それを聞いて彼女は三津の耳に顔を寄せた。 女同士でもべっぴんさんの顔が間近に来て変な緊張感が三津を包む。 しゃんと背筋を伸ばして耳を澄ますと三津の予想だにしない名前が囁かれた。 「桂はんに頼まれたんよ。」 『桂はん…?』 三津の思考は完全に停止した。 頭の中がぐちゃぐちゃだ。 色んな物が詰まった葛籠をひっくり返されたみたい。 何から手に取って,どう整理すればいいのか分からない。 久しぶりに聞いた名前。 名前を聞いただけなのに,三津の心臓は激しく脈打つ。 「土方歳三が女を連れ込んでるって情報を聞いてん。 その女の子の特徴と名前を聞いてみれば,お三津ちゃんらしいって知った。 そしたらあの人,私に確かめて来いって言ったのよ。」 それまでにこやかだった彼女は拗ねた仕草を見せた。 「…お姉さんって何者ですか?」 全てを見透かしたような目で自分を見ている。 Botox瘦面 直視出来なかった大きな瞳から目を反らせない。 心臓の音が煩い――…。今更だけど,名前も知らない彼女。 ただのべっぴんさんではないようで,今まで見惚れていた笑みが一段と妖しく見える。 「私?私はただの芸妓やし。 幾松って言って分かってもらえる?」 幾松は耳にタコが出来るぐらい,桂から三津の話を聞いているけど,三津に自分の事を話しているなんて思えない。 『桂の女よって言ってやろうかしら。』 それぐらいの嘘は可愛いもんでしょ。 頭を抱えて唸り声を上げる三津を眺めていると,はっと見開いた目と目が合った。 「あーっ!知ってる!桂さんの馴染みの芸妓さん!」 三津は気持ちのいいぐらいはっきりと思い出した。 大声を上げ,指を差して,黒々とした目は瞬き一つせず幾松を見つめた。 「声大きいし。聞こえてたらどうするんよ。 私からしたらここは敵陣なんやから。」 幾松は右手で三津の頬をぎゅっと摘んで黙らせた。 でも知ってくれてるとは意外だった。 『私の事を吹き込むのは吉田さんぐらいやろな。』 そうと予想がついていながら,誰から聞いたの?と尋ねてみる。 もし桂の口から聞いたのなら,ちょっと嬉しいかも。 「吉田さんから聞きました。」 予想通りの答えに溜め息が出た。やんなっちゃう。 桂の顔を頭に浮かべて,言ってやろうと思う嫌味を並べていった。 『うわ…本物なんや…。』 三津は見開いた目で幾松の姿を凝視した。 上から下までじっくりと。 幾松には会う事もなく,想像の中の人で終わるはずだった。 きっと桂とお似合いの人なんだろうと思いながら。 今,目の前に居る幾松は三津が思った以上の人。 間違いなく桂にお似合いな大人の女性。 そんな彼女が桂に頼まれて自分を訪ねて来たなんて…。 からかわれてるとしか思えない。 「桂さんは何で幾松さんにこんな事させてるんですか? しかも桂さんって長州に帰ったんじゃ?」 よく考えればおかしな話じゃないか。 桂の馴染みの芸妓が,何で自分の気持ちを確かめに来てるんだろ。 『しかも何で宗太郎を連れてるんやろ。まさか攫って来はった?』 三津はまた混乱の中にどっぷり足を突っ込んだ。 あぁでもない,こうでもないと一人で狼狽える。 『相変わらず面白い反応する子やわ。』 桂はずっと京に居ると伝えると,顎が外れるんじゃないかって言うぐらい,三津の小さな口が全開になった。


を向けてきた。

Четверг, 26 Октября 2023 г. 14:49 + в цитатник

を向けてきた。  かれのいう説得とは、副長にたいしてだけではない。俊冬にたいしても、である。  ってかんがえそうになり、また蟻通に後頭部を叩かれた。 「いいかげんにしてください。馬鹿になるじゃないですか」 「ならば、案ずる必要はなかろう?」  蟻通にクレームをいれると、ソッコーで返されてしまった。 「秘密にしていないで教えてくださいよ」  田村がねだってきた。  かれは、そういう秘密ごとは全力でききだしたいっていうタイプらしい。  大人たちは、たがいにをかわしあった。  たしかに、島田のいう通りである。  副長は、なんだかんだといいつつ子どもらのことを大切にしている。行動にだすことはないが、年齢のはなれた弟みたいな存在なんだろう。  その子どもらに説得してもらえば、副長も耳を傾けてくれるかもしれない。  そして、それは俊冬にもいえることである。  かえって俊冬のほうが有効かもしれない。  市村も田村も俊冬のことが大好きである。おそらく、副長よりも好きなはずだ。  まとわりつかれでもすれば、俊冬も邪険にはしないだろう。  どちらも、大人が説得するよりかはよほど効果がみこめそうだ。 Botox瘦面 を感じた。  俊冬がじっとみている。  副長まんまのに、いまさらながらどきりとしてしまう。見分ける方法は頬の傷と、側でじっとみたら肌の艶とか皺とか俊冬のほうが若いだけにいいというくらいか。  その瞬間、また後頭部を叩かれた。 「よくそこまでかんがえたり思ったりできるものだな」  蟻通に呆れ返られているが、仕方がない。  それがおれなんだ。  そう開き直ることにした。  ふと、 結局、蟻通とのアイコンタクトで市村と田村に告げることに決めた。  弁天台場から物資の補給をしに、中島と尾形と尾関が戻ってくるという。  かれらも交え、話をした方がいいという結論にいたった。  副長は、榎本など箱館政権のお偉いさん方に二股口と木古内の状況を伝えにいっている。  最近、榎本らお偉いさんたちは五稜郭にいることがおおい。  結局、敵軍の侵攻を止められずに箱館から五稜郭に移り、ここで終戦をむかえることになる。  かれらは、五稜郭が最終の地であるとすでに予測しているのかもしれない。    それは兎も角、副長は、たかだか報告のくせに一人では心細いらしい。同道するよう、島田と俊冬と俊春に命じた。  が、俊春はすこしでも体を休めなければならない。  この後、かれはおれたちの何千倍も働かなければならないからである。  ゆえに、副長は島田と俊冬を連れていった。  正直なところ、島田にはいってほしくなかった。  おれたちをまとめてもらわねばならないからである。  が、かれをムダにひきとめると、副長に気づかれるかもしれない。それに、俊冬の見張り役も必要である。  島田には申し訳ないが、イケメンズの面倒をみてもらうことにした。  ちなみに、俊春の体を休めるというのは方便である。  俊冬は、副長にうながされて榎本の部屋にいきかけた。が、そのタイミングで俊春にメンチ切った。 「メンチ切る」とは、にらみつけるという意味である。  俊春もメンチ切り返した。  いつもは俊冬にたいして従順なかれが、最近はずいぶんと強気である。  それほどまでに精神的に追い詰められているのかもしれない。    厩は、安富にとって聖域である。  ここ五稜郭のかなりこじんまりしている厩も、すでに安富とかれのお馬さんたちの甘い巣になっている。  もちろん、厩にはほかの隊に所属しているお馬さんたちもいる。  かれは、一手に面倒を引き受けているのである。  というわけで、厩でミーティングをすることにした。  厳密には、厩のまえに木箱をいくつも並べ、そこに座ることにした。  いわゆる青空会議ってやつだ。  俊春とおれとで「ザ・コーヒー」を淹れた。  もう残りもすくないらしい。  牛乳は、ヤバそうである。  冷蔵庫がないし、日持ちするようになんらかの加工もされていない。  ヤバくなるのも当然であろう。  俊春は、こちらが不安になるほど牛乳のにおいを嗅ぎまくっている。 「大丈夫」  永遠ともいえるほどの時間の経過のあと、かれはそう判断をくだした。 「大丈夫って、あれだけにおいを嗅いでいるって時点ですでにヤバし、だろう?本当に大丈夫なのか」  思わずツッコんでしまった。 「Probably」 「いや、マジで大丈夫なのか?」 「Maybe」 「おいおい、なんか確率下がってないか?もう一度きくけど、大丈夫なんだろうな?牛乳って賞味期限内でも体調によったらお腹ごろごろ、ぴーぴーになることがあるんだぞ」 「Possibly」 「はああああ?大丈夫度が十パーセント程度まで下がったぞ」 「冗談だよ。やめておこう。そのかわり、砂糖を大量にいれればいい」  たしかに、その方が無難だ。  でがらしみたいなコーヒーに砂糖をおおめにいれたものと、カステラがあったのでそれとを添え、全員に配った。  市村と田村は、すでにコーヒーとは呼べぬちょっと色のついた白湯イン砂糖を、よろこんで吞んでいる。ほかの者も、こんなものかってな感じで吞んでいる。


Дневник johnsmith786

Среда, 25 Октября 2023 г. 14:34 + в цитатник
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