稔麿の作戦か何か分からんがこれで嫉妬 |
稔麿の作戦か何か分からんがこれで嫉妬心を持てば私の負けなのだろう。ならばそんな物が芽生える前に耳を塞ぐまでだ。』
「三津,お茶を飲んで落ち着いたら九一に送ってもらいなさい。」
そう言って背を向けた。Botox瘦面
「はい……分かりました。」
『あの声色……きっと私が怒ってると感じたんだな。』
だけどもう踵は返せない。帰ってからちゃんと話せばいい。そう思って自室に戻った。
「……今の怒ってました?」
三津は恐る恐る入江に聞いた。
「いや妬いてただけでしょう。大丈夫ですよ。」
「あれで三津に当たるようなら駄目だね。もし当たられたら俺の所に泣きつきにおいで。慰めてあげる。」
「出来たら平和に過ごしたいです……。」あの時の桂は怒っていた。何をどう謝ればいいのか考える三津は家までの道中眉間に皺を寄せていた。
「そんな難しい顔しなさんな。大丈夫です。」
そう言って入江は三津の頭の上でぽんぽんと手を弾ませた。
三津は不安気に入江の顔を見上げた。
「帰って来た桂さんに猫なで声で甘えてみたらいいですよ。そしたら嫌って程抱いてくれると思いますよ。」
「なっ!いいです!いいです!いいです!」
三津は顔を真っ赤にして口を横一文字に結んだ。そしてこれでもかと言うくらい首を横にぶんぶん振った。
「あぁ三津さんは恥ずかしがり屋なんですね。そんなに振ると首取れますよ?」
落ち着きなさいと頭を押さえた。
「もしかして亡くなられた恋仲の方が初めての?」
三津は両手で顔を覆って今度は縦に何度も振った。
「その後が桂さんならちょっと三津さんには刺激が強すぎますねぇ。
でも稔麿も激しい方だと思いますよ?見た事ないですけど。」
「そんな情報いらないです!ここ道端です!」
左隣を歩く入江の背中を左手でバシバシ叩いた。
「おっ,左手だいぶ力が戻ったのでは?全然痛くないですがね。」
「お陰様で……。」
耳まで真っ赤にして俯いた。
「いや初な女子を久々に見たのでつい。最近は芸妓や遊女といった自分の武器を分かりきって使ってくる女しか見てなかったので。
桂さんは三津さんのそう言う所も好きなんだと思いますよ?」
「女の武器ないのに?」
「三津さん自身が武器ですもん。全身凶器。」
「それ意味違ってきません?
でも……今のまんまでいいって言ってもらえるなら嬉しいですけどね。」
そう言葉をかけてくれる桂を思い浮かべて照れ臭そうに笑った。
「……三津さん左手の握力を鍛える練習しながら帰りましょうか。こう…ぎゅっぎゅってしながら。」
入江に差し出された右手を取って,こう?とぎゅっと力を込めた。
「そうですそうです。良くなってますねその調子です。」
「頑張ります先生!」
『……何だよ人の事女好きとか言っといて入江さんだってちゃっかり三津さんモノにしようとしてるじゃんか。』
手を繋いで歩く二人の背後に桂の密偵伊藤俊輔。
その現場しかとこの目に焼き付けたり。三津を送り届けて藩邸に引き返す入江の横に伊藤がぴったり引っ付いた。
「困りますよ入江さんまで三津さんに手ぇ出しちゃ。」
「手を差し出しただけだが?」
しれっと澄ました顔で歩く速度を上げた。
「屁理屈言わないで下さい。桂さんに報告しなきゃいけないんですから。」
「報告するのか?この件で酷く責められるのは三津さんなんだろうなぁ。左手を使う練習をしていただけなのに。」
「左手を使う練習?何の話です?」
目をぱちくりさせる伊藤に入江も目を見開いた。
「お前知らなかったのか。三津さんは土方から受けた拷問で左手がちゃんと使えない。あの朝気付かなかったか?」
「あの朝……。あっ三津さんが掃除してた時?えっ入江さんそれに気付いて三津さんに話しかけに行ったんですか?」
「そうだ。目視だけでも分かったが念の為世間話をするフリをして確認していた。」
お前は本当に何しに行っていたんだと呆れ返って伊藤を見た。
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