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になるのであろうか?」

Суббота, 21 Октября 2023 г. 13:35 + в цитатник

になるのであろうか?」

「そういわれてみればそうだなぁ」

「ああ、たしかに。子宮內膜異位症 剣術だって体術だってそうだし、頭のよさだってそうだし……」

 

 松本と中島が、野村の疑問に同意して頸をひねっている。

 

「ちょっとまちやがれ。それはどういう意味だ?」

 

 副長が気色ばんだ。

 

 はやい話が、剣術ひとつとってもなんちゃって目録である副長の遺伝子でである。俊冬も俊春も、剣術の腕は時代を問わずしてナンバーワンとナンバーツーであると断言できる。

 

 なんちゃって目録の遺伝子とは到底思えない。それだけでなく、それ以外のあらゆる面において、副長の遺伝子からこれほど完璧な男たちになるわけがないのではなかろうか。

 

 それこそ、誠に遺伝子を継いでいるのかどうかDNA鑑定が必要なレベルのちがいっぷりであろう。

 

 しいていうならば、副長の「もと」とやらを継いでいるというのは。みてくれくらいかもしれない。

 

「ああ、おっしゃるとおりです。おれたちが継いでいるのは外見、つまり、みてくれだけかもしれませんね。継いでいる遺伝子は、副長だけではありませんから。ほかにも世界中の優秀なも含めた生物の遺伝子がくみこまれています。それこそ恐竜まではいかずとも、古代生物のDNAを採取し、それも使用されていますので。おれたちのスペシャルでエクスレントな力は、そういったもろもろの成果なんでしょう」

 

 土方歳三の遺伝子を継ぐ当人が、異常なまでのパワーやスキルは土方歳三以外の遺伝子を継いだものであり、土方歳三のを継いだわけでない。

 はやい話が、副長のは、みてくれだけって認めた。

 

 めっちゃ笑ける。

 

「法眼同様申していることはよくわからぬが、兎に角ぽちたまがすごい存在であることはわかった気がする」

「なにを申すか、登。もともと二人はすごい。だれかさんとちがってな。ようするに、だれかさんもふくめ、ずっとからやってきたということなのであろう?ただ、ぽちたまはだれかさんよりずっとおれたちを助け、役に立ってくれているということだ」

「ちょっ……。蟻通先生。だれかさんを連発されていますが、そのだれかさんとはいったいどこのだれのことをおっしゃっているんですか?」

 

 ようやく混乱と動揺がおさまってきた、気がする。だから、いまのようにツッコむことができた。

 

「おまえだよ」

「おまえだろうが」

「おめぇだよ」

「おまえだ」

「おれだろう?」

 

 全員にツッコミかえされてしまった。

 

 しかも、法眼にまでも。

 

 さらに、自分のボケに自分自身でツッコんでしまった。

 

「それから、これはまだ副長にも話していないことなんだけど……」

 

 一瞬、シンと静まり返ったタイミングで、俊冬がまた口をひらいた。

 

「肇君。きみが一番に疑問に思うことだ……」

「ああああああああああっ!」

「な、なんだ?」

「べらんめぇっ!びっくさせんな」

「なんだと申すのだ?」

 

 俊冬の言葉をさえぎり、たまらず叫んでしまった。

 

 あることを思いだしてしまったからである。

 

 おれの叫び声に驚いた副長や松本にディスられてしまったが、叫ばずにはいられなかった。

 

 俊冬が板橋の刑場で近藤局長の斬首をおこない、おれたちのまえから去ろうとしたときである。かれがおれにいいかけたことがあった。厳密には、かれはなにかいったのであるが、喧噪のせいでおれがききとることができなかったのである。

 

『ありがとう、は……』

 

 かれの言葉は、そこまでしかおれの耳に届かなかった。

 

 そうだ。あのときかれは、『ありがとう、肇君』といったんだ。

 

 あのとき、それがきこえていればもっとはやくにかれらの正体をしることができたんだ。

 

「そこ、いまこのタイミングで思いだすかな?」

 

 俊冬は、おれをよんでいる。かれは、くすくす笑いながらいった。

 

「おれもかなり動揺していたからね。弱気になってついでてしまった。きみが鈍感で助かったよ」

 

 いやまて。俊冬、いまのは褒め言葉なのか?

 

「ぼくも、ときどきつい明かしたくなってしまったよ。このまえも、兼定が狂犬病にならないっていってしまったしね」

 

 俊春もまた、くすくす笑いながら明かす。

 

 かれは、相棒のまえに両膝を折ってその頭をなでようとした。が、それよりもはやく、相棒が前脚をあげて俊春の頭を小突いたではないか。

 

「いやだな、兼定。なに?ちょっと年上だからって、ぼくを弟あつかいするのはよしてほしいんだけど」

 

 俊春は、ぷーっと頬をふくらませた。 こうしてみてみると、俊春はずいぶんと子どもっぽく感じられる。の印象とは、まったくちがう。

 

 十歳以上、いや十五歳は若くみえる。

 

「ぼくらがコレラや結核になったことがあるといったのを、覚えているかい?」

 

 かれは、相棒とみつめあいつつきいてきた。

 

「それは嘘じゃない。それだけじゃなく、MERSやエボラ等、兎に角いろんな伝染病に感染している。HIVに感染しなかったのが奇蹟的だね。科学者たちはぼくらを教訓にし、兼定はすくなくとも狂犬病や現代で確認されているほとんどのウイルスには感染しないよう、遺伝子操作されている。だから、狂犬病の心配はいらないっていってしまったわけだ」

「なるほど」

 

 とりあえずは、そう答えるしかない。ってか、それしか答えられない。

 

「兼定はきみを護るとともに、きみがぼくらのことを思いださないようにする役目があったんだ。これもぼくらのスキルの一つなんだけど、きみが昔の夢をみるようなことがあれば、すぐに察知できる。


 

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