が入港できるわけではない |
が入港できるわけではない。上陸するのに艀をつかわねばならない。それをまたねばならないからだ。
おれたちはいま、伝習隊が太江丸からやってくるのをまっている。
清水谷への使者と先陣は、すでに先発している。
副長が伊庭とおなじ遊撃隊の人見と顔見知りであるため、夜襲に気をつけるように注意勧告してくれた。同様に、大鳥から腹心の本多に気をつけるよう注意をしてもらっている。
「あの……」 【婦科檢查】真的很尷尬又可怕?檢查項目包啲乜 ?
おっかなびっくりのでちかづいてきたのは、新撰組に入隊したての二人の青年である。
一人は唐津藩士のである。
小久保は、唐津藩主が蝦夷行きを決めたために新撰組に入隊した。三好もまた義兄の小笠原が蝦夷行きをきめたため、新撰組に入隊してきた。
どちらも成り行きで入隊したってわけだ。
そして、おれのしるかぎり、二人ともこの後に起こる峠下の戦いで戦死する。
「呼びつけてすまない。此度、おれは別動隊を指揮する。ゆえに、新参者のおまえたちの面倒をみきれぬのでな。二人とも、残って桑名少将の采配にしたがってもらいたい。三好、おまえには同僚たちも頼みたい。五稜郭は難なく落ちるであろう。問題は、そこからだ。本土から大挙して敵がやってくる。おまえたちのような若いのには、力を温存してもらってそのときにこそを発揮してもらいたい。此度のような余裕のある戦には、おれたちのような年寄りで充分だからな」
副長は、二人の若者をまえに自嘲気味に笑った。
小久保と三好が初対面どうしかはわからないが、二人はたがいにを見合わせた。
「承知いたしました」
二人とも、この場は同時にそう答えるしかない。
それから、一礼して仲間たちのところへもどっていった。
「ったく、いまのは幾つだ?」
「たしか、三好は十六か十七歳、小久保は二十歳をすぎたあたりかと」
「くそっ!おれからすりゃあ、二人ともまだ餓鬼だぞ」
二人の背をみながら、副長がつぶやいた。
相棒も、おれの脚許で若者たちの背をみつめている。
そのタイミングで、俊冬と俊春が音もなくあらわれた。
二人は先陣よりもさきに上陸し、各方面に物見にいっていたのである。
「どうだった?」
副長は、海のほうにをはしらせながら尋ねた。
味方の軍艦が遠くにちかくに停泊している。
全軍が上陸するまでにはしばらくかかる。
は、各隊にさきんじて五稜郭攻略の栄誉を担っている。副長にいたっては、指揮官としての腕を買われ、まったく別の組織を指揮することになる。
副長にしろにしろ、敗北は許されない。
なぜなら、新撰組の蝦夷での立場をつねに有利にしなければならないからだ。
無意識のうちに、副長のをおっていた。
鷲ノ木は、現代とちがって「これぞ漁港」っていうほどの港ではない。
時代劇に登場するようなほのぼのとした海岸って感じである。
に上陸するため、艀として必要だからである。
ということは、当然もかりだされている。
鷲ノ木の漁民は、ここ数日は漁にでることができない。それはイコール、かれらの糧を奪うということだ。
もっとも、こちらが船の借り賃とにたいしては手間賃を支払っているのなら別であるが……。に、船のレンタル料やら人件費を払うヨユーなどあるはずがない。
っていうよりかは、金にしろ物資にしろできるだけ温存しておきたいというのが本音である。
ゆえに、漁民たちにレンタル料や人件費を支払ったり、漁ができない間の休漁補償をしたりなんてことはしないはずだ。
脅したりすかしたり、というのが実情だろう。
結果的に、かれらはそれを恨んだり不満に思う。
われわれに対する心証は、めっちゃ悪いだろう。
「ずいぶんと手際がいいですね。敵は、おれたちの動向をつかんでいます。すでに本土から兵を送りこんでいて、川汲峠へ向かっています。いまからですと、よほど急がないと待ち伏せされてしまいます」
おれが漁民たちに思いをはせている間に、俊冬が報告していた。
副長は一つうなずいてから、俊春に報告をするよううながした。
「こちらは、すでに峠下付近にいたっています。数はわが軍の先陣の倍ちかく。敵軍は、史実どおり夜襲する気満々のようです。こちらにもどる際、人見先生と本多先生にその旨伝えました。いずれにせよ、本軍も急いだほうがいいでしょう」
副長は、その俊春の報告にも一つうなずいた。
「大鳥さんはあんな人だ。本多君がまだマシとはいえ、
それにしても、このあたりの漁民たちはいい迷惑であろう。突然、何隻もの
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